4月5日、バックス戦でデマー・デローザンが40得点を記録しました。ブルズの選手で35得点以上をシーズン20回以上達成したのは、1996-1997シーズンのマイケル・ジョーダン以来の記録となりました。
DeMar DeRozan has 20 35-point games this season. He is the 2nd Bulls player to do that, joining Michael Jordan.
— ESPN Stats & Info (@ESPNStatsInfo) April 6, 2022
The last time Jordan did this was in 1996-97. pic.twitter.com/k4B1gt3YQ0
今シーズン、スパーズから移籍してきたデローザンは、ラプターズ時代の得点力を取り戻し、チーム最多の1試合平均28.2得点をあげ、前半戦のサプライズチームにもなりました。そのデローザンがこの記録を達成したのは、まさにエースたる証でしょう。
しかしここで気になるのが、前回のマイケル・ジョーダンの記録からちょうど25年、その間の歴代エースたちはどこまで近づけたのか、という点です。
多くのスコアラーを輩出してきたブルズの歴代エースを振り返りながら、検証してみることにします。
1997-1998 マイケル・ジョーダンのラストダンス
前シーズン、35得点以上を34回達成したジョーダンですが、ブルズでの最終年は1試合平均28.7得点ながら、35得点以上は17試合となっています。チームは二度目の3連覇を達成し、この年でジョーダンは2回目の引退を発表しました。
1997-1998 マイケル・ジョーダン 28.7得点 35得点以上 17試合
1998-2005 ポスト・ジョーダンの低迷期
ジョーダンの引退後、ブルズは低迷期に突入します。各シーズンのチーム得点王の記録を見れば、その落差が明確になります。なお、シーズン中に移籍した選手は、ブルズ在籍時の平均得点、試合数を記載しています。
1998-1999 トニー・クーコッチ 18.8得点 35得点以上 0試合
1999-2000 エルトン・ブランド 20.1得点 35得点以上 2試合
2000-2001 エルトン・ブランド 20.1得点 35得点以上 0試合
2001-2002 ジェイレン・ローズ 23.8得点 35得点以上 4試合 ※移籍したため、30試合のみの記録。
2002-2003 ジェイレン・ローズ 22.1得点 35得点以上 3試合
2003-2004 ジャマール・クロフォード 17.3得点 35得点以上 2試合
2004-2005 エディ・カリー 16.1得点 35得点以上 0試合
2005‐2009 ベン・ゴードンの時代
2004年ドラフト1巡目3位指名でブルズに入団したベン・ゴードンは、ルーキー年にシックススマン賞を受賞するなど大活躍。翌年の2005-2006シーズンから、ブルズのエースとして君臨しました。
2005-2006 ベン・ゴードン 16.9得点 35得点以上 3試合
2006-2007 ベン・ゴードン 21.4得点 35得点以上 6試合
2007-2008 ベン・ゴードン 18.6得点 35得点以上 2試合
2008-2009 ベン・ゴードン 20.7得点 35得点以上 5試合
2009-2014 デリック・ローズの時代と大怪我
2008年ドラフト1巡目1位指名でブルズに入団したデリック・ローズは、ルーキー年に新人王を獲得。2010-2011シーズンにはチームをカンファレンス・ファイナルまで導き、デビュー3年目でシーズンMVPを受賞。しかし翌シーズンのプレイオフ、大怪我を負い、そこから苦難のキャリアが始まりました。
2009-2010 デリック・ローズ 20.8得点 35得点以上 2試合
2010-2011 デリック・ローズ 25.0得点 35得点以上 8試合 ※シーズンMVP
2011-2012 デリック・ローズ 21.8得点 35得点以上 2試合
2012-2013 ルオル・デン 16.5得点 35得点以上 0試合 ※ローズは怪我で全休
2013-2014 ルオル・デン 19.0得点 35得点以上 1試合 ※移籍したため、23試合のみの記録。
2014-2017 ジミー・バトラーの時代
2011年1巡目30位指名でブルズに入団したジミー・バトラーは3年目から二桁得点を記録。4年目の2014-2015シーズンからエースへと成長しました。3年間エースとしてブルズを引っ張り、そして2017年オフに、ザック・ラヴィーンらとのトレードでウルブズに移籍しました。
2014-2015 ジミー・バトラー 20.0得点 35得点以上 2試合
2015-2016 ジミー・バトラー 20.9得点 35得点以上 4試合
2016-2017 ジミー・バトラー 23.9得点 35得点以上 11試合
2017-2021 ザック・ラヴィーンの時代への移行
2017年オフにジミー・バトラーとのトレードでブルズに移籍したザック・ラヴィーンは、前年の膝の大怪我からシーズン終盤に復帰。その翌シーズンの2018-2019シーズンからは名実ともにエースとして君臨し、ブルズを一人で押し上げました。特に昨シーズンは27.4得点と、ジョーダン以来の高い数値を記録しています。
2017-2018 ニコラ・ミロティッチ 16.8得点 35得点以上 0試合 ※移籍したため、25試合のみの記録。
2018-2019 ザック・ラヴィーン 23.7得点 35得点以上 4試合
2019-2020 ザック・ラヴィーン 25.5得点 35得点以上 12試合
2020-2021 ザック・ラヴィーン 27.4得点 35得点以上 14試合
こうして見てみると、ポスト・ジョーダンは3年単位でエースが入れ替わり、ラヴィーン時代になるまではエースの平均得点も高くはない状態でした。
しかし過去2シーズン、ラヴィーンがブルズを牽引し、スーパーエースへと成長しました。平均得点も35得点以上の試合数も最もジョーダンに迫りました。そしてそこにデローザンが加わったのが、今のブルズです。
ブルズは残り3試合。
どこまで記録が伸びるのか楽しみですね。
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